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垂木プロ流「シャンク」の考え方

 「ゴルフの神様は残酷である。でも本当は、、、、」レッスン中にそう感じました。

 昨日のレッスンで突然「シャンク」を発症したレッスン生がいました。その人は65歳を過ぎてからゴルフを始めた方で、私の指導を長く頑張ってきた人です。私はその方とゼロから一緒にゴルフスイングを作ってきたので、その人のゴルフはかなり細かく把握してます。ゴルフを始めた当時は身体が硬くて全てのクラブで距離が出ませんでした。9番アイアンのフルスイングで50ヤードからスタートです。全てのクラブが飛びませんでした。私がその時に出来る最善策を全てのことを取り入れていただきました。ドライバーは転がしのショットを覚えていただきました。アプローチは勿論ランニングアプローチです。レッスンとラウンドを長期的に繰り返していきスコア100を切れるところまできました。特にこの1年はかなり頑張られてことを私は知っています。全てのショットが上達してきました。「ところが、、、、」

 突然の「シャンク」です。でも私はそろそろ来る事が分かってました。何故分かっていたのでしょうか?それは「上達してきた」からです。私は「ゴルフの神様はレッスン生が努力して次のステージに上がろうとすると、必ずそのステージに上がる準備が本当に出来たのかテストを出されるよう」に感じます。突然の「シャンク」もその一種類のように感じるのです。

 こんな風に考えている私です。そのレッスン生がシャンクでお困りの最中にこんな事を考えました。「おめでとうございます。遂にここまできましたね!ゴルフが上達する人は全員通っている道です。これを超えれば次のステージです!!」でも言えませんでした。このブログを読んでいただいてる人はゴルフが大好きで心優しい人だと思います。その言葉を言えない気持ちをよく分かっていただけると思います。「その人はその時本当に困っているのです。」

 ゴルフの神様のテストは「今までの解決法ではクリアさせてくれない」ように感じるでしょう。私が感じた今回のテストの解決法は「基本にしっかり戻る」でした。だから私は一言だけお伝えしました。「シャンクが出たら基本に戻る時です。必ず超えれます。安心してください。」残酷なようですが、その時はこれ以上の言葉はいらないように感じました。

 普通の指導者はきっとシャンクが出ると「出なくなるスキル」を教えてくれるでしょう。でも私は、それは一時凌ぎに過ぎないように思えるのです。(勿論私も一時的に出なくなる方法をお伝えします。そしてその時は出なくなります。しかし、、、)

 私は「シャンク」を「ゴルフの神様のテスト」だと思っているので「スキル」だけで超えれるものではないように感じているのです。勿論「スキル」は必要なのですが、それだけでは無いような気がします。では何を求められているのでしょう?それは「ゴルフにおける人間力」の向上のような気がしてならないのです。これが向上した時にはその時に必要な「スキル」は比例して上達している筈です。

 ゴルフの神様のテストは、クリアしてしまえば「本当に何事も無かった」かのように過ぎ去ります。そして「その出来事があったからこそ良かったのではないのか」と後から気づいたりします。私は「私に対してゴルフの神様は残酷」だと思います。いつも今の自分にピッタリの厳しいテストをお与え下さいます。