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デシャンポー選手が使う「ロフト6度のパター」が持つ意味


 「パターはボールを転がす道具です。」常識的に考えて普通の答えです。ではパターで打ったボールは最初は「どのように転がる」と思いますか?

 先日、久しぶりにテレビでゴルフトーナメントを観ました。最近忙しくてテレビを見る時間が作れなかったのですが、 マシューウルフ選手のゴルフとスイングがどうしても見たくてU.S. Open Championship 最終日を見ました。そして色々な事を感じました。

 最終日はデシャンポー選手とウルフ選手の一騎打ちでした。(デシャンポー選手もウルフ選手も「今までのゴルフの常識から外れた選手」で見ていて楽しい。)その中で解説の方がデシャンポー選手が「ドライバーのロフトが5.5度でパターのロフトが6度になっている。ドライバーのロフトがパターのロフトより立ったいることがU.S openで初めての出来事」と解説されていました。「面白い事するな〜」と感じたのはドライバーのロフトではなくパターのロフトです。「流石はゴルフ科学者と言われるデシャンポーだな〜」と。皆見た目のゴツさと飛距離に目が行くと思いますが、私はデシャンポー選手が使っているショートアイアンとパターがとても気になりました。

 デシャンポー選手のクラブは、ショートゲームの打ち方にマッチした「ショートアイアン」のクラブセッティングになっていて「長いラフからのアプローチにミスが出難いセッティングになっている」ように感じました。アプローチの打ち方を私流に解説すると、ハンドアップに構えて(アイアンのトゥー側だけを地面につけて)ダフり難い構えを作り(私の動画レッスンで例えると【ゴルフ】ミスに強いアプローチ(前編))距離とライに応じてフェースアングルをコントロールしながらのアプローチショットをしていました。そして意外に「フェースを被せる(上から包み込むような)アプローチ」を使っていたのが面白い発見でした。また、”ダフり難い構え(ハンドアップ)”と”上から包み込むようなインパクト”の「二段構えでアプローチのミスに対しての予防線を張っている」ように感じました。今回開催されたwinged foot golf clabでは、このアプローチの打ち方が「ミート率とスピンコントロールという点で功を奏した」のではないかと思います。

 そのアプローチショットの打ち方は見事にパターにも生かされていました。パッティングでもハンドアップに構える事で「ひっかけるミスを防止」しながらも、ある程度の球の捕まりも求める為に「ロフト角が多いパターを使っているのだろうな」と考えられます。もう一つは「転がり方に関してのポイント」です。このブログの最初の質問「パターで打ったボールは最初は「どのように転がる」と思いますか?」に戻ります。この質問の回答を知っている人は「ロフト角が多いパター」を使う意味が分かるかもしれません。(メルマガをお取り頂いてる方は、二週間ほど前(9月4日発送)のメルマガ「垂木プロのパッティングの極意1」で書いた「パッティングの距離感を合わせる秘伝の技術」と「ロフト角」には深い関係性があります。)秘伝の技術を基にしてパッティングを考えると「高速グリーンではロフト角が多い程に距離感はコントロール出来る筈」です。

 デシャンポー選手もウルフ選手も「一見すると普通とは違う」個性派プロゴルファーのように見えますが、実は「その技術は昔ながらの伝統的な技術を今風にアレンジしたモノのように感じる」のですが、その事をうまく伝えれていないのが現在の現状のような気がします。飛距離や筋肉などが目につきやすいので仕方ないとは思いますが、それは表層で起こっている出来事で、本当に見なきゃいけないところでは、、、、、これ以上は、メルマガで書いた方がいいですね。