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オリジナルクラブと向き合う日々

 レッスン生が持っている「オリジナルクラブ」でボールを打つと私の調子が途端に上がる。それは「ダウンスイングでクラブが向かいたい方向を示してくれる」からだ。そこまで作り込むのはなかなか骨が折れる作業だ。私がラウンドして「これ使うと調子がいいわ」と思ったところで他の人の手に渡る。そして必要があれば調整する。

 で、私のところに残るのが「問題を抱えている」クラブ達だ。全くを揃え、全ての数値を合わせたところで「全く違う感覚のクラブ」が出来上がる。自分で作っといて「なんやこれ」「全くダメやな」そんな風に思うことがしばしばある。陶芸家の様な気持ちになる。窯から出して「ダメなら、叩き割る」、、、、、そんな勇気は私にはありません。私の場合はネチネチ、ネチネチと調整する。私のゴルフのレッスンのスタイルと一緒である。「なんとかならんのかな、、、、」その一心である。そして何とかなる。(と言うより「何とかする」の方が正しい)

 組み上げた瞬間に「ピシッ」と出来るモノもある。これは「ドラフト1位」で入団する「エリート」の様な感じがする。トップのツアープロで目利きが出来る人はこんなクラブを使っていると思う。

 「ネチネチと時間をかけて」で出来上がったモノは「テスト生」としての入団だ。でも私が作成した「テスト生」は逆境を跳ね返すアクが強さがある。手にする人のアクの強さとクラブがアクがちょうど良い加減になり、手にする人にぴったりの「世界に一つしかないクラブ」となる。

 今私が使っているアイアンがまさしくそうだ。マッスルバックのアイアンで「オリジナルクラブ」を作って欲しいと注文を受けて3セットヘッドを用意した。その3セットのうちの1つを私が使っている。そのアイアンは言葉は悪いが「問題児」だ!重量はあるのだが、どうやって作ってもヘッドが軽く感じて、、8番アイアンで120ヤードも飛ばせない(普通の打ち方では)、、、作った当時は「大損害」と感じていた。「行き場を失ったアイアン」はテスト用として自分で使うことにした。そして今、そのクラブのお陰で「今の指導しているスイングが作れた」と言っても過言ではない。

 飛ばないなら「どうやれば飛ぶか?」曲がらないなら「どうやれば曲がるか?」を、それまでのオリジナルクラブとは違う視点の打ち方があることを私に仕込んでくれたクラブが「問題児」だ。飛ばないアイアンは「飛ばないこと、、、すなわち「止めれること」を武器にすればいい」、、、、「飛ぶクラブは「直線」で勝負する代わりに、飛ばないクラブは「コーナリング」で勝負せえ」と言われた感じがした。

 ヘッドの重さを殆ど感じないからダウンスイングで勢いをつけれない、、、「だから分かった」、、、ダウンスイングの最初で勢いをつけるからヘッドがアウトコースに膨らむ、、、「コーナーはゆっくり進入する」その基本を教えてくれた。「問題児アイアン」は「イニシャルDの86」のようだ。世界中で「パワーゴルフ」が全盛の中で、垂木プロの「身体に優しいゴルフスイング」と「オリジナルクラブ」は全く異質の世界観があると思う。使い込んでいただければ価値観が変わる。

 ブログを書き終わればパターと向き合う。来年の今頃は次の展開が来る様に準備もしていこうと思う。やること(やりたい事)があり過ぎる、、、、