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オリンピックを振り返って⑧【8月4日】レキシー・トンプソン選手のスイングを近くで見た感想

 8月4日はオリンピック、ゴルフ競技女子初日です。私の担当は8時3分スタート【イギリス代表】メル・リード選手【ドイツ代表】キャロライン・マッソン選手【スエーデン代表】アンナ・ノードクイスト選手 のウオーキングスコアラーを担当させて頂きました。そのお話は、垂木プロの備忘録⑤【女子ゴルフ】第1ラウンドの振り返り【2021年8月4日】にてお話しさせて頂きます。

 

 そして今回のブログは、垂木プロゴルフチャンネルでお話ししていない内容の、レキシー・トンプソン選手のスイングを生で見て感じた事を振り返ります。早速ですが、何故レキシー・トンプソン選手を振り返るのかについての理由からお話させて頂きます。

 8月4日(ゴルフ競技女子初日)の早朝、担当させて頂く3人の選手(リード選手、マッソン選手、ノードクイスト選手)の事を詳しく知る為に打球練習場で選手のスイングや球筋を確認していたところ、垂木プロ流スイングのテークバックの上げ方とメチャメチャよく似た選手が近くにいたのです。

 

 それがレキシー・トンプソン選手だったのです。

 

 ショートアンアンを使った時のスイングを見ると特に分かりやすいです。クラブの使い方の特徴がとても似ているのです。

 レキシー・トンプソン選手は、テークバックのスタートから、フェース面をシャットにしてクラブを強く立てながらテークバックを上げていました。スイングを横からチェックすると、テークバックのスタートからクオータースイング位迄で、クラブヘットをインサイド(背中側)に上げていないはずです。(これが私の指導している「右手が上のゴルフスイング」とクラブの使い方の特徴がとても似ているのです。)「テークバックのスタートで、あそこまでクラブを立てる事が出来れば、かなり上から(ダウンブロー目)にボールを打てる」と感じました。

 彼女はドライバーショットでも同じ技術を使っていました。スイングをチェックして「何故、彼女が飛ばし屋なのか」そして「ダウンスイングからフォロースルーにかけて一瞬飛び上がるような動作が入って見える理由」もよくわかりました。

 

 飛ばし屋の理由は、「①クラブを強く立てたまま(右手が上)の状態でロフトを伏せながらのダウンスイング」「②トップオブスイングで作って右向きの状態をインパクトまで維持出来ている」「③前記①②の状態を維持して体幹の力を使ってクラブを左サイドに振り向けている」この3つを高い次元で出来ているところです。

 ダウンスイングからフォロースルーにかけて一瞬飛び上がるような動作が入って見える理由は、インパクトからフォロースルーにかけて左肘がうまく抜けないからです。

 テークバックからトップオブスイングで、クラブ全体が身体から離れ過ぎているのが原因です。テークバックで左腕の使い方に少し工夫を取り入れれば、その問題は修正出来るはずですが、、、、年齢を重ねた時に、フォロースルーで左サイドの抜けが悪いスイングを続けていると手首を怪我する恐れがあるので、コーチは早めに修正してあげて欲しいなと思いました。

 

 レキシー・トンプソン選手のスイングを動画で確認すると、今回ブログで書いた内容を確認する事は難しい事がよく分かります。画面からでは、奥行きと立体感が分かり難いからです。レキシートンプソン選手のスイングは生で見れば見るほどに凄みがあります。お洋服以上に攻め重視のゴルフスイングと言えるでしょう。

 

 私がご指導しているスイング(テークバックの上げ方)は、韓国のパク・インビ選手や中国のフォン・シャンシャン選手のスイングとリンクする部分が多くあるので、アジア人向きのスイングだと思っていましたが、まさかアメリカの選手にも同じクラブの使い方をする選手がいるとは思いもしませんでした。

 

 

 今回のブログの終わりに、、、

   ノードクイスト選手、全英女子オープン優勝おめでとうございます。