· 

【ゴルフレッスン】説明は足りないぐらいが丁度いい

  10月3日

 今日は6歳の女の子と84歳の男性を同時にご指導させていただいた。レッスンの途中で「不思議な光景」を見た。「6歳の女の子のフルスイングを見て、84歳の男性のスイングが良くなっていくように見えた」のだ。

 私の子供達への指導は「身体の力を抜いて、ボールをしっかりと打つ」である。子供たちはその指導を純粋に受け止めて上達していく。ゴルフ歴の長いおじ様方は違う。思考に不純物がたくさんこびりついている。レッスン中も「手や腕の使い方」「テークバックの上げ方」「クラブの動かし方」に気持ちが向かってしまう。だから私は84歳の男性に敢えて「身体の力を抜いて、最後(フィニッシュ)までクラブを振り切ってください。」とだけお伝えした。「ボールをしっかり打つ」の指導では「腕に力が入りそうだな」と感じたので「フィニッシュまでクラブを振り抜く」に少し内容を変えてレッスンさせていただいた。

 「腕力でのスイング動作を少なく出来れば、自然と脚力を使えるようになる」今回の指導内容の本当のポイントは「そこ」なのだが、実際のレッスンではそこまで細かくはお伝えしていない。あまり細かく説明をすると、他のポイントが気になり始めて、かえって違うミスを引き起こすことがあるからだ。例で言えば「今回のレッスン、実は脚力が大事だったんです!」と聞けば、そのうちに「腰を早く切ったほうがいい?」や「下半身のタメを作る?」等が気になってくる。そして「腰を早く切る」を実行してプッシュスライスが出始めて、最終的に「スイングが壊れた」と感じてしまうのだ。

 「この例え話はどこで間違えたのだろう?私が出来ることはなんだろう?」と考えた時に、私はお寿司屋さんを思い出した。

 カウンター越しの板前さんが、魚や天ぷらがより美味しく食べることが出来るようにタイミングを見計らって出してくれている。「美味しく食べるために鮮度や温かさ、客人の腹具合を考えてより良い状態で。」これを参考にしてみた。ゴルフレッスンにおいては「タイミングを見計らった最小限な説明」にあたるのではないかと考えたのだ。

 

 最小限の説明の反対は説明し過ぎである。説明のし過ぎは「思考を複雑」にしてまう。今回のレッスンで言えば、例えに使った「今回のレッスン、実は脚力が大事だったんです!」を説明することは、タイミングを見計らった最小限の説明ではない。説明過多はお寿司の食べ過ぎと同じで、美味しいモノを美味しく感じさせなくなる。ゴルフレッスンを美味しく食べてもらうコツは「説明し過ぎない」ことだ。